20250423　おすすめ

全然鍼灸と関係ないのですが、私は札幌市の公式アカウントのLINEを登録しています。これは、札幌市民ならぜひ登録して欲しいです。公式アカウントって邪魔な情報ばかりで結局すぐにブロックすること多いかと思いますが。札幌市公式アカウントはその心配ありません。特に最近は熊の出没情報が更新されるのでありがたいです。今年は前々から出没が増えると予想されていたようですが実際多いですね。道外では住宅地に出たという報道もありました。恐くておちおち藻岩山も登れないです。札幌市の公式アカウント、試しに登録してみたください。リンク張っときます。

今日は私の鍼灸治療の考え方について書いてみます。

慢性疼痛に対して認知行動療法（CBT）が有効であるという報告を見ると私は多くを考えさせられます。今ではみんなが効果を認めるけれど、前は違ったと思います。その証拠に今でも認知行動療法を受けたことがある人って少数派ではないでしょうか。私の理解では、「今までは痛みの原因を探して一つずつ解決していくことが回復につながると信じられてきたけれど、実際にはそれだけでは十分ではない場合が多いと、みんなが認識してきたのだ」と思っています。特に慢性疼痛においては、痛みそのものを完全に取り除くことよりも、痛みとの向き合い方を変えることが重要だとされています。

私はこの考え方をトンネル工事に例えて「出口サイドから掘る」と表現しています。具体的には、認知行動療法（CBT）では、「痛みや不快な感情と向き合うこと」「自分の思考や感情を客観的に捉えること」「小さな改善を評価し、積み重ねていくこと」を重視しています。これは、従来の「痛みの原因を取り除けばすべてが解決する」という入口サイドからのアプローチとは異なるものです。

例えば、慢性疼痛を持つ患者の中には、「痛みがなくなれば幸せになれる」と考える方が多いです。しかし、痛みが完全に消えない場合でも、それにどのように対処するかによって生活の質を大幅に改善できることがあります。この点で、出口サイドからのアプローチは、痛みの悪循環を断ち切るための重要な戦略と言えます。

私は鍼灸師であり、専門的にはCBTを行うことはできません。それでも、問診を通じて患者との信頼関係を築き、彼らの痛みに対する捉え方を理解することは可能です。私は出口サイドも重視する鍼灸師です。特にそれを感じるのは問診です。多くの鍼灸師が入口サイド、つまり「痛みの原因を探り、それを取り除く」ことに重点を置いているのに対し、私は患者が痛みについてどう感じているのか、どのような心理的ストレスを抱えているのかを丁寧に聞くようにしています。この過程は患者が痛みを受け入れる助けとなると自負しています。

入口サイドを見ている患者さんからすれば、出口サイドを意識する私の言動は明後日を見ているだけで、誤解を招くこともあるかもしれません。そのため、私は口頭での説明はもちろん、必要に応じてホームページなどでも詳細な情報を提供し、患者に理解してもらう努力をしているところです。

鍼灸治療は、慢性疼痛に対して一定の効果があることが多くの研究で示されています。愚弟的には「痛みのゲートコントロール理論」や「脳内オピオイド系の活性化」などの科学的メカニズムが考えられています。そう考えると入り口と出口の両方からアプローチするやり方は理にかなっているではないかと自負しています。鍼灸治療は単なる身体的アプローチではなく、心身全体へのアプローチも大事なのではないかと考えています。

今後も、患者一人ひとりに寄り添いながら、科学的根拠に基づいた治療を提供し、痛みとの向き合い方を支えていきたいと考えています。