
あなたの頭痛、タイプはどれ?症状・原因・対処法を徹底解説
頭痛は、おからだ治療院でも多くの方から相談を受ける症状の一つです。日常生活に支障をきたすこともある頭痛ですが、その種類や原因によって対処法が異なります。少しでも皆さまのお役に立てるよう、今回は頭痛について詳しく解説していきます。
頭痛って何?種類と違いを簡単に説明します!
「頭が痛い」と言っても、その原因や特徴は人それぞれ。大きく分けると、頭痛には2つのタイプがあります。
1. 一次性頭痛(慢性頭痛)
→ 病気ではなく、頭痛自体が問題
ほとんどの頭痛はこちらのタイプです。「特別な病気があるわけではないけど、繰り返し起こる頭痛」のことです。日常生活でよく見られ、命にかかわることはほとんどありませんが、辛い症状が続くことがあります。
代表的なもの:
- 片頭痛:ズキンズキンと脈打つような痛み。光や音が苦手になることも。
- 緊張型頭痛:頭全体がギューッと締めつけられるような鈍い痛み。ストレスや姿勢の悪さが原因。
- 群発頭痛:目の奥に激しい痛みが短時間集中して起こる頭痛。涙が出たり、目が充血することも。
2. 二次性頭痛
→ 病気やケガが原因で起こる頭痛
こちらは、何らかの病気や体の異常が原因で起きる頭痛です。頻度は少ないですが、重大な病気が隠れていることがあるため注意が必要です。
例:
- 脳梗塞や脳出血などの血管のトラブル
- 脳腫瘍や髄膜炎
- 頭をぶつけたときのケガ
頭痛の大半は「一次性頭痛」で、命に関わることは少ないですが、いつもと違う強い痛みや急に症状が変わったときは、すぐに病院へ行きましょう。
片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛の特徴一覧表
項目 | 片頭痛(Migraine) | 緊張型頭痛(Tension-Type Headache) | 群発頭痛(Cluster Headache) |
---|---|---|---|
定義 | 脳血管の異常収縮と拡張、神経系の過活動が関与する慢性疾患 | 頭部周囲筋肉の持続的な緊張や中枢神経系の感覚処理異常による慢性疾患 | 下垂体後葉や三叉神経自律神経反射に関連する周期的な頭痛 |
主な痛み方 | 拍動性(脈打つようなズキンズキンとした痛み) | 両側性の圧迫感や締めつけ感(非拍動性) | 片側性の激しい刺すような痛み(鋭く、耐え難い程度) |
痛みの強さ | 中~重度(日常生活に支障をきたす場合が多い) | 軽~中程度(通常、日常生活への影響は軽微) | 極めて重度(「最も強い頭痛」とされることが多い) |
痛みの持続時間 | 4~72時間(治療せずに放置すると数日続くことも) | 30分~数日(慢性の場合、15日以上/月持続することがある) | 15分~3時間(平均:45~90分、短時間で治まるのが特徴) |
発症部位 | 片側性(約60%)、両側性もありうる | 両側性(全頭性) | 片側性(目の奥や周辺、特に眼窩上部に集中) |
随伴症状 | 吐き気・嘔吐、光過敏・音過敏、嗅覚過敏 前兆ありの場合:閃輝暗点(視覚異常)、言語障害、しびれなど | 通常なし(稀に軽度の肩こりや首の凝りを伴う) | 目の充血、涙、鼻づまりまたは流鼻水、まぶたの腫れ・下垂、顔面発汗、頻脈など |
誘因・原因 | – ストレス解放後 – ホルモン変動(月経、妊娠、更年期) – 不規則な睡眠 – 食事(アルコール、チョコレート、チーズなど) | – 長時間の同じ姿勢 – 精神的ストレス – 眼精疲労 – 頭頸部筋肉の緊張 | – 明確な原因不明 – 季節の変わり目 – アルコール摂取 – 生物学的リズムの変化 |
好発時間帯 | 午前中~午後にかけて(起床時や昼間に多い) | 日中に増悪することが多い | 夜間~早朝にかけて(就寝中や夜明けに発症することが多い) |
頻度 | 慢性例では15日以上/月発症 | 慢性例では15日以上/月発症 | 発作期間:数週間~数か月、その後寛解期(数ヶ月~数年) |
医学的補足情報
- 片頭痛
- 前兆を伴う片頭痛(有痛性片頭痛)と前兆がない片頭痛(無痛性片頭痛)に大別されます。
- 脳血流の変化と三叉神経血管系の活性化が疼痛メカニズムに関与します。
- 緊張型頭痛
- 「一次性頭痛」に分類され、頭蓋周囲筋肉の持続的緊張や中枢神経の疼痛制御異常が関連しています。
- 慢性化すると心理的要因(うつ病、不安障害)との合併リスクが高まります。
- 群発頭痛
- 「三叉神経自律神経性頭痛」の一種であり、下垂体後葉ホルモン(オキシトシン)の日内リズム変化が関係していると考えられています。
- 喫煙者に多く、男性の発症率が女性の約3倍とされています。
片頭痛
片頭痛は、脳の血管が急激に拡張し、周囲の三叉神経を刺激することで発生します。この刺激により炎症物質が放出され、さらに血管が拡張するという悪循環が痛みを引き起こします。
自律神経や女性ホルモンの変動とも関連があり、特に20~40代の女性に多く見られます。また、ストレスからの解放時(例:週末など)に血管が急激に拡張することで発症することもあります。
対処法:血管の拡張を抑える
- 暗く静かな場所で休む
光や音、動きが痛みを増幅させるため、安静にすることが効果的です。 - 痛む部位を冷やす・圧迫する
冷却や軽い圧迫により血管が収縮し、痛みが和らぎます。
予防法:生活習慣を見直す
- 規則正しい睡眠を心がける
寝不足や過眠は片頭痛の引き金になるため、一定のリズムを保つことが大切です。 - 定時に食事を摂る
空腹による低血糖は脳血管を萎縮させ、片頭痛を誘発することがあります。 - 頭痛の誘因を避ける
強い光、大きな音、特定の匂いや飲食物(例:アルコール、チョコレートなど)、気圧の変化など、自分にとってのトリガーを把握し回避しましょう。
医学的には、片頭痛は三叉神経血管系の異常興奮とそれに伴う炎症反応が主な原因と考えられています。これらの対策を実践することで、症状の緩和や再発予防につながります。
⚠️こんな頭痛はすぐに受診を!
頭痛の中には、脳の重大な病気が原因である「二次性頭痛」があります。以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診するか、必要に応じて救急相談を行いましょう。
突然の激しい頭痛
これまで経験したことのない激しい頭痛が突然起こった場合、くも膜下出血の可能性があります。命に関わることがあるため、ただちに救急車を呼びましょう。
徐々に強くなる頭痛
痛みが少しずつ強くなり、特に早朝や朝方に強い頭痛を感じる場合は、脳腫瘍が疑われます。このような症状があるときは、早めに専門医を受診してください。
発熱を伴う強い頭痛
発熱とともに強い頭痛がある場合、風邪以外にも髄膜炎や脳炎などの可能性があります。これらの疾患は迅速な治療が必要です。症状が重い場合は救急受診を検討しましょう。
手足のまひやめまい、言語障害を伴う頭痛
頭痛に加え、手足のまひ、歩行困難、言語障害、めまいなどの症状がある場合、脳卒中(脳梗塞や脳出血)や脳腫瘍の可能性があります。軽度の頭痛でも随伴症状がある場合は、神経内科や脳神経外科での精密検査をおすすめします。
認知機能低下を伴う頭痛
物忘れやぼんやりした状態、意識障害などと併せて頭痛が現れる場合、慢性硬膜下血腫が考えられます。これは以前の転倒や打撲が原因で、数週間から数ヶ月後に症状が現れることがあります。早期発見と治療が重要です。
まとめ
頭痛は単なる疲労やストレスによるものが多いですが、上記のような特徴的な症状がある場合は重大な病気が隠れていることがあります。迷ったときは、早めに医師に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。
薬の使い過ぎによる頭痛も深刻!患者数は120~240万人
近年、頭痛薬を過剰に使用することで「薬物乱用頭痛(薬の使い過ぎによる頭痛)」を引き起こす人が増加しています。この頭痛の患者の約8割は、もともと片頭痛を抱えていた人です。
また、片頭痛や緊張型頭痛がある人が、「仕事を休めない」「日常生活を守りたい」といった理由で自己判断で頭痛薬を頻繁に服用するうちに、慢性頭痛へと悪化してしまうケースも多いです。
頭痛外来での指導では、頭痛薬の使用は1か月に10日以内を目安にするよう推奨されています。これは、薬物乱用頭痛を防ぐための大切なポイントです。
頭痛薬との正しい付き合い方
- 痛みを我慢し続ける必要はない
痛みを無理に我慢するとストレスが増え、かえって頭痛を悪化させることがあります。 - 自己判断での頻繁な服薬は避ける
頭痛薬の使用が習慣化すると、逆に頭痛が増えてしまうリスクがあります。 - 目安を守る
頭痛薬の使用は1か月に10日以内を目安にし、それ以上必要になる場合は医師に相談しましょう。
薬物乱用頭痛は、薬が効きにくくなり、かえって頭痛が頻発・悪化するという悪循環に陥ります。特に片頭痛持ちの人にリスクが高く、適切な治療と薬の管理が必要です。
心当たりがある方は、早めに専門医に相談することが大切です。
鍼灸治療の頭痛に対する有効性とおからだ治療院の取り組み
鍼灸治療の大きなメリット
- 薬に頼らない治療が可能
頭痛薬があまり効かない方や、薬の使用を控えたい方(妊婦さんや授乳中の方など)にも効果が期待できます。また、薬が効く方でも服用回数を減らすサポートが可能です。 - 薬物乱用頭痛の解決策にも
薬の使い過ぎによる慢性頭痛で悩む方が増えています。痛みを我慢できず薬に頼ってしまうケースも多い中、鍼灸治療は薬を使わずに頭痛を改善する選択肢として注目されています。 - 頭痛以外の症状も同時にケア
鍼灸治療は、頭痛の軽減だけでなく、肩こりや眼精疲労の解消、睡眠の質向上、全身の疲労回復といった効果も期待できます。これらは頭痛薬にはない、鍼灸治療ならではのうれしい副次的効果です。
鍼灸の効果について
鍼灸治療は、神経系や血液循環に働きかけることで、筋肉の緊張緩和や血管の正常化を促進します。特に片頭痛や緊張型頭痛では、これらのメカニズムが痛みの軽減につながると考えられています。また、自律神経のバランスを整える効果もあり、ストレス性の頭痛にも有効です。
おからだ治療院では、患者さま一人ひとりの症状に合わせた鍼灸治療をご提供しています。頭痛でお悩みの方、薬の使用を減らしたい方はぜひご相談ください。頭痛だけでなく、全身の健康状態を改善するお手伝いをさせていただきます。
鍼灸治療は、肩こりや眼精疲労、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの変動、心身のストレス、血行不良など、頭痛の根本的な原因に直接アプローチできる治療法です。鍼やツボへの刺激を通じて、神経系や血液循環を調整し、頭痛の発症そのものを防ぎ、原因を解消していきます。
おからだ治療院では、患者さま一人ひとりの状態を丁寧に見極め、治療をご提供します。
慢性頭痛や激しい頭痛は、日常生活や仕事、さらには人生の質まで大きく影響を与えてしまいます。どのような頭痛に悩んでいるのか、どのような背景があるのか…まずは一度、お気軽にご相談ください。あなたの頭痛の原因をしっかりと見極め、最適な治療をご提案させていただきます。