
おからだ治療院のシバクサです。
おからだ治療院は、札幌市豊平区平岸にある地域密着型の鍼灸整体院です。初めてご来院いただく方にも安心していただけるよう、丁寧な対応を心掛けております。清潔で落ち着いた雰囲気の院内で、リラックスしながら施術をうけてください。
日々の治療や学びを通じて感じたことや、健康に関する役立つ情報、趣味の話なども交えながら、ブログを書いていきます。読んでくださる方に笑顔や元気をお届けできるよう、書いていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私は為末さんのYouTubeチャンネルが好きで、ランニングの参考としてよく見ています。オリンピアンの言葉は、自分のレベルとは違うと分かっていますが、それでも学びになります。最近見た中で印象に残ったのが、「危険は現実、恐れは物語」という言葉です。

これは、危険そのものは事実だけど、その現実をどう受け取るかは人それぞれであり、恐れは頭の中で作られるものだという意味だと理解しています。人は恐れとして危険を大きく見積もる傾向があります。それは生き残るための知恵でしょう。その恐れが過剰になっている場合は少しずつ修正していくことが大切なのだと思います。
そもそも人間の脳は、情報をそのまま受け取るのではなく、要所だけを拾って全体を補っています。これについては、視覚レベルで既に起きていて、目の前を車が通る時も、その様子を動画を見ているのではなく、いくつか撮った静止画像を脳で補完して動画を見ているように感じているそうです。だから、補完する能力を例えば事故などで失うと、車が走る様子もコマ送りに見えるそうです。スポーツにおいてフェイントに引っかかるのは、事実と補完のズレによって生じると考えられます。
つまり、人は誰でも「事実そのもの」ではなく、「前提や経験をベースにした解釈」で世界を認識しています。事実とベースのズレは、定期的に修正していく必要があります。
この考え方は、慢性的な痛みや不定愁訴にも通じると感じます。治療院にいらっしゃる患者様には、痛みやつらい症状は事実として存在します。つらい期間が長くなると、実際の症状以上に強く感じてしまうことはよくあることで、脳の補完や増幅が関与している可能性があります。だからこそ、まずは「人の脳はそういうものだ」と伝えてわかってもらうこと。患者様自身もそのことを繰り返し言い聞かせて、アップデートしていくことが大切だと考えています。
私自身、治療の中で「事実と痛みの強さは必ずしも一致しない」ということをできるだけ伝えるようにしています。鍼灸院に来られる方は、さまざまな治療を試した後であることが多く、認識のズレが大きくなっているケースも少なくありません。
為末さんは、危険と恐れの間にアスリートとしての成長があると語っています。臨床に置き換えると、身体の状態(症状)と、それに対する痛みの感じ方の間にも同様のズレが生じます。臨床では「成長」という言葉は使いにくいため、私は「可能性」という言葉に置き換えて伝えています。
痛みや不調の中にも、まだ変わる余地がある。その可能性を引き出すためにも、まずは“恐れの物語”に気づくことが大切です。鍼灸院における治療とは、身体だけでなく、こうした認識のズレ──いわば「勘違いの糸」をほどいていく作業でもあると考えています。
そしてその書き換えの積み重ねこそが、回復への第一歩になるのだと思います。
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