伊集院静の本は好きでした。当時は分からなかったけれど、彼が優等生でなかったから好きだったのだと思います。団塊ジュニアの自分が受けた教育は一言で言うと優等生であれだったと思います。自分は優等生だったのか?私は優等生になれませんでした。
私だけじゃなくあの頃は優等生であれという教育を受けてきたように思います。優等生とそれに準ずる人とさらにそれに準ずるもの。児童数も多かった時代と相性も良かったのだと思います。社会全体の規格化、一律化、統一化が進んだ結果が今の日本の閉塞感につながっていると思います。
大人になって優等生が言うことはいつも同じでつまらないと知りました。伊集院静の文章は彼が優等生じゃないから面白いと思います。幸せの形は人それぞれで沢山あるけれど、不幸の形は大体似ていると聞いたことがあります。優等生は案外不幸なのかもしれない。(優等生になれなかった人間の負け惜しみだとも思うのですが)
今日の道新コラムに伊集院静のことが書いてありました。「抵抗せよ。すぐに役立つ人になるな。」そうそう、こういう文章が好きなのです。優等生ばかりの今の世の中、多くの人に読んでもらいたいところです。
今日のコラム 痛みについて
痛みは、組織の損傷や炎症を知らせる重要な生理的防御機構ですが、慢性化すると生活の質を著しく低下させます。痛みは主に「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「心因性疼痛」の3種類に分類され、それぞれ異なるメカニズムを持ちます。
痛みの伝達は、まず末梢の侵害受容器で刺激が受容され、一次感覚ニューロン(Aδ線維とC線維)を通じて脊髄後角に送られます。ここから二次感覚ニューロンを経て、視床や大脳皮質に伝達されます。この過程には、グルタミン酸やサブスタンスPといった神経伝達物質が関与しています。
痛みは脳幹からの下行性抑制系や内因性オピオイド、他の感覚入力によって調節されます。たとえば、マッサージによる触圧刺激は痛みの伝達を抑制する効果があります。
鎮痛療法は薬物療法と非薬物療法に分けられ、薬物療法では抗炎症鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬が使用されます。非薬物療法には、経皮的末梢神経電気刺激療法(TENS)、運動療法、認知行動療法などが含まれます。これらの治療法を組み合わせることで、より効果的な痛み管理が可能になります。適切な治療法を見つけることが、生活の質を向上させる鍵となります。