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片頭痛の病態に関する最新の知見

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概要

片頭痛の発生機序には、いくつかの仮説がある。まず、脳血管が原因で起こるーとする血管説、次に皮質性拡延性抑制現象(CSD)を中心としーた神経説。さらに、三叉神経節を中心とした血管や神経原性炎症を起源とする三叉神経血管説が提唱され、これが現在広く受け入れられている。

近年の画像検査技術の進歩により、片頭痛の発生時期が前兆期よりも前の予兆期にすでに視床下部での活動性が上昇していることが明らかになった。
また、光過敏症については、内因性網膜神経節細胞(ipRGCs)が発症に関与していることがわかった。

分子生物学や画像診断の進歩により片頭痛の理解が深まり、より効果的な治療法の開発につながることを期待されている。

片頭痛のメカニズム

  • 血管説 拍動性頭痛が血管の拡張によると考えられた仮説。セロトニンが作用して血管が収縮して前兆が起き、セロトニンが枯渇すると血管が拡張して片頭痛が起きると考えられた。現在は血管の拡張と頭痛のタイミングにずれがあるため、血管の拡張が片頭痛に必ず必要ではないとされている(べつの文献からの補足)
  • 神経説 一部の神経細胞の活動が抑制され血流が変化することで前兆が起きると考えられた。しかし、血流の変化と頭痛の出現にずれがあることから、片頭痛の病態の全てを説明できるものではないと言われている。
  • 三叉神経血管説 三叉神経が何らかの刺激により興奮することで神経伝達物質が放出されることで痛みが出ると考えられてた。臨床症状を説明しやすいが、何らかの刺激が不明な点、前兆を説明できない点など、やはり片頭痛の病態を全て説明しきれない。

その他

  • 片頭痛には閃輝暗点と呼ばれる前兆の前に予兆と呼ばれる症状がある(数日前)。この時は視床下部が活性化されると画像で確認されている。
  • PACAP38は視床下部を中心として作用し、副交感神経系の活性化や硬膜血管拡張を引き起こすことが示唆されています。
  • HMGB1(30 kDa)と呼ばれるタンパク質が片頭痛病態の CSD の時に重要な役割を果たしている。
  • ASIC1が片頭痛の前兆と頭痛を軽減したと報告がある。
  • 網膜上にある細胞内因性網膜神経節細胞(ipRGCs)が光を受信することで片頭痛の痛みを増やすが不明な点が多い。

私の感想

私なりの要約

  • 片頭痛には頭痛の前に前兆がある
  • さらにその前に予兆がある。
  • 予兆は視床下部に反応がある
  • 前兆は大脳皮質に反応がある
  • 頭痛の痛みには三叉神経系が関係している
  • 拍動性については血管が関係している。
  • 全ての片頭痛に予兆があるわけではない
  • 全ての片頭痛に前兆があるわけではない
  • 予兆や前兆があるからといって必ず片頭痛症状がでるわけでもない
  • 予兆と前兆と片頭痛をつなぐ機序もハッキリしていない
  • 片頭痛発生の機序には血管説、神経説、三叉神経血管説があるが、それぞれが正しくて、それぞれが片頭痛全てを説明はできない

以上のことから片頭痛については断片的にしか分かっていないというのが私の理解です。治療院で患者さんの話を聞いていると、一口に片頭痛と言っても本当に人それぞれだと分かります。昔は効いた薬がその後効かなくなったりするのを聞くと、薬の耐性が出来ただけなのかも知れないが、人それぞれなだけではなく、その時その時でそれぞれなのかも知れないとまで思ってしまいます。原因については複数の仮説があり、それぞれ根拠はあるのだが片頭痛の全てを説明できず、片頭痛の病態は複雑なのだと再認識します。片頭痛の病態の解明には、さらなるブレイクスルーが必要だと私は考えています。そのような状況のなかで、患者さん本人にとって、自分に合う薬や対処方法が見つけることが優先されると考えます。おからだ治療院がが対処法の一つになればと思っています。この文献には特に触れられていないが、頚から肩のコリ、睡眠不足、等がトリガーになると言われており鍼灸が予防対策に出来ることはあると考えます。
個人的には、片頭痛という目的地に向かうルートはいくつもあるのだと考えています。もしかして、片頭痛とひとくくりにしているけれど、よく似た違う病気もひとくくりにしている可能性だってあると思っています。そのくらい分からないことが多いというのが私の理解の現在地です。今後も最新知見をアップデートしていきます。

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