デング熱(Dengue Fever)
デング熱の概要
デング熱はデングウイルスによる感染症で、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されます。感染症法では4類感染症に分類されています。
デング熱の感染経路
デング熱はウイルスを持つネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染します。ヒトスジシマカは日本にも生息し、ヤブ蚊とも呼ばれます。感染した人の血を吸った蚊は、生涯にわたってウイルスを伝染する可能性があります。性行為による感染報告も稀にありますが、一般的ではありません。
デング熱の症状
デング熱の潜伏期間は2~14日(通常3~7日)で、突然の発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛が主な症状です。発症後3~4日で胸部・体幹から発疹が現れ、全身に広がります。通常、死に至る危険は少ないですが、関節の痛みが激しく、英語では”Break bone fever”とも呼ばれます。症状は通常1週間程度で改善し、後遺症なく回復します。
デング熱の重症化リスク
デングウイルスには4種類あり、同じ型に再感染すると軽症で済むことが多いですが、異なる型に感染すると重症化することがあります。重症化した場合はデング出血熱やデングショック症候群と呼ばれ、稀に死亡することもあります。
デング熱の治療法
血小板が低下し出血しやすくなるため、イブプロフェン、アスピリン、ロキソプロフェンなどのNSAIDsは避けるべきです。治療にはアセトアミノフェンが推奨されます。
デング熱の予防法
デング熱にはワクチンや特定の治療法がないため、予防が重要です。蚊が多い地域では虫除け剤を使用し、肌の露出を控えましょう。流行地域から帰国した際には蚊に刺されないよう注意が必要です。
デング熱発症時の対応
海外から帰国後に発熱などの異常がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。検査が可能な医療機関については「蚊媒介感染症の診療ガイドライン第5版」を参考にしてください。検査結果が陰性または判定不能の場合、医療機関は保健所に相談し、地方衛生研究所または国立感染症研究所に検査を依頼します。
デング熱の流行地域
デング熱はアフリカ、アメリカ、東地中海、東南アジア、西太平洋の熱帯・亜熱帯地域で見られます。日本でも輸入症例だけでなく国内発生例も報告されているため、国内でも注意が必要です。
まとめ
デング熱は、特に熱帯・亜熱帯地域での感染リスクが高い感染症です。旅行先の情報を常に確認し、予防対策を徹底することが重要です。感染が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
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