慢性疼痛の診断と治療に対する課題
今日の参考文献はこちらです。
初めに
2020年の国際疼痛学会の痛みの定義はは「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こり得る状態に付随する,あるいはそれに似た,感覚かつ情動の不快な体験」です。具体的には①痛みは常に個人的な経験であり,生物学的,心理的,社会的要因によってさまざまな程度で影響を受ける.②痛みと侵害受容は異なる現象であり,感覚ニューロンの活動だけから痛みの存在を推測することはできない.③個人は人生での経験を通じて,痛みの概念を学ぶ.④痛みを経験しているという人の訴えは重んじられるべきである.⑤痛みは,通常,適応的な役割を果たすが,その一方で,身体機能や社会的および心理的な健康に悪影響を及ぼすこともある.⑥言葉による表出は,痛みを表すいくつかの行動の 1 つに過ぎない.
慢性疼痛診断の課題
発症から三か月が慢性疼痛の一つの目安。具体的に炎症があるときとないときとで痛みの対応が違う。この文献によると総人口の20%(15%とも)と言われている。不安が強いほど抗うつが強いほど症状が重い。慢性疼痛患者はそれ以外と比べて精神疾患の併病率が高い。慢性疼痛は過剰な脂肪摂取、過体重、低活動、睡眠障害と関連がる。運動器の疼痛と死亡の間には相関がある。慢性疼痛患者では前帯状皮質,前頭前皮質および側坐
核の賦活が低下している.これは下行性抑制系の機能低下に関連する可能性が高い。痛み刺激が加わると中脳からドパミンが放出されて最終的に痛みが抑制されるがストレス等の理由でドパミンが放出しづらくなる。ドパミンは痛み以外にも快感の期待でも放出されるので、痛みは快感によって抑制される。慢性疼痛は神経障害性疼痛の関与が疑われるためスクリーニングテストがある。慢性疼痛は精神疾患の関与を調べるためのスクリーニングテストがある。痛みは快感により抑制される。
慢性疼痛の治療方針
継続的な運動療法が治療に重要。慢性疼痛は生活習慣と深く関連がある。治療のゴール設定は痛みの改善ではなくQOLの向上に置く。強いストレスがあれば軽減に努める。
私なりの感想
改めて慢性的な痛みは急性とは別物なのだなと思わされます。どの資料にも慢性疼痛に悩む人が多いのだと思います。みんな人に隠れて痛みと戦っているのだと思います。話すだけで、気持ちの整理がつきますから。気になることがありましたらいつでも蘭楽ください。きっと多くの人に痛みがあるのだと思います。自分の体を無視している。きっと多くの人間が慢性痛と向き合っていないと思います。痛みに対峙するのはいいけれど、無理して慢性疼痛化してしまうのはもったいない。健康情報のアドバイスもしているので、困ったことがありましたら、いつでも連絡ください。