側坐核

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はじめに

• 側坐核（そくざかく）は、前脳に存在する神経細胞の集団で、報酬、快感、嗜癖、恐怖に重要な役割を果たす。
• この部位は大脳基底核の一部であり、前頭前野、大脳辺縁系と緊密に連絡している。
• 側坐核はドーパミンの分泌を通じて、意欲ややる気の向上に寄与する。
• ドーパミンは行動の動機付けに関与し、学習や記憶の強化因子として働く。
• 側坐核は、痛みの信号を和らげる物質を放出する仕組みにも関与している。

側坐核の構造 

• 側坐核は大脳基底核の一部で、コアとシェルという二つの構造に分類される。
• 両側の大脳半球に一つずつ存在し、尾状核頭と被殻前部が透明中隔の外側で接する場所に位置する。
• 約95％の神経細胞はGABA産生性の中型有棘神経細胞である。
• 側坐核は腹側線条体の一部であり、嗅結節などとともに構成される。

ドーパミンと側坐核 

• 側坐核はドーパミンの分泌を通じて、報酬系としての役割を果たす。
• ドーパミンは行動の動機付けに関与し、選択した行動の優位性を学習・記憶させる。
• ドーパミン神経系は、腹側被蓋野から側坐核に投射される。
• 薬物依存症では、ドーパミンの作用が中心的な役割を果たすことが知られている。

側坐核の神経経路 

• 側坐核は前頭前野、扁桃体、海馬からの入力を受ける。
• 腹側被蓋野からのドーパミン性入力は、側坐核の神経活動を調節する。
• 側坐核からは腹側淡蒼球、視床、黒質、橋網様体への出力がある。
• これらの経路は、皮質－線条体－視床－皮質回路の一部として機能する。

側坐核と痛みの関係 

• 側坐核は痛みの信号を和らげる物質を放出する仕組みに関与している。
• 痛みの克服を目指す研究において、側坐核の役割が注目されている。
• 側坐核の活性化は、痛みの緩和に寄与する可能性がある。
• 痛みの信号が脳に伝達された後、側坐核が関与する。

側坐核の研究事例 

• 1950年代にラットの中隔領域に電極を挿入し、快楽中枢としての役割が示唆された。
• 音楽によって惹起される感情の調整に関与することが報告されている。
• 重度のうつ病の治療目的で側坐核に深部電極刺激が行われた。
• 側坐核が活発に活動する人ほど嘘をつく割合が高いことが実証された。