広背筋
①広背筋
起始
・椎骨部:
-第7-12胸椎の棘突起
-すべての腰椎と仙骨の棘突起の胸腰筋膜
・腸骨部:腸骨稜の後部1/3.肋骨部:第9-12肋骨
・肩甲骨部:肩甲骨の下角
停止 上腕骨の小結節(前面)
作用 上腕の内旋,内転,後方挙上(上腕を後方に引く),呼吸補助(呼息,“咳嗽筋”)
神経支配 胸背神経(C6-C8)
広背筋の概要
広背筋は、背中の下方に位置し、三角形の形状を持つ大きな筋肉であり、背部で最も面積の広い筋肉です。この筋肉は、胸郭の下部から腰部にかけて広がり、体の後面を覆っています。広背筋は、上肢の動作において重要な役割を果たし、特に腕を引き寄せる動作や、物を持ち上げる際に活躍します。これにより、広背筋は日常生活やスポーツ活動において欠かせない筋肉となっています。
広背筋は、腰部と胸部にかけて広がる板状筋であり、上肢の動作において大円筋や大胸筋と協力して機能します。具体的には、広背筋は肩関節の内転、内旋、伸展を行い、腕を後方に引き寄せる動作を助けます。また、広背筋は肩甲骨の動きにも関与し、肩の安定性を保つ役割を果たしています。これにより、広背筋は身体の動作をスムーズにし、力強さを提供します。
広背筋は、古くは闊背筋(かっぱいきん)と呼ばれており、その名称はこの筋肉の広がりを反映しています。神経支配は、腕神経叢の一部である胸背神経(C6-8)によって行われ、これにより広背筋は適切に機能します。広背筋の健康を維持することは、肩や背中の痛みを防ぐためにも重要であり、ストレッチや筋力トレーニングを通じてその機能を強化することが推奨されます。
起始と停止
広背筋は、背部の下方に位置し、広く平らな三角形の形状を持つ筋肉です。その起始は、第5胸椎から第5腰椎の棘突起、仙骨、腸骨稜の後内側部、さらに第9から12肋骨に及びます。この広範な起始部は、広背筋が体幹の安定性を保ちながら、上肢の動作において重要な役割を果たすことを示しています。特に、広背筋は体の後面を覆い、力強い動作を可能にするための基盤を提供します。
広背筋の停止部は、上腕骨の上部前面に位置する小結節稜に付着します。この付着点は、広背筋が上腕を内転させる際に重要な役割を果たします。具体的には、広背筋は上腕を体の中心に引き寄せる動作を助け、日常生活やスポーツにおける多くの動作に寄与しています。例えば、物を引く動作や、ボートを漕ぐ際の力を発揮するために、広背筋の強さと柔軟性が求められます。
広背筋は腋窩を通り、外側上方に向けて収束する特性を持っています。この構造は、広背筋が上腕骨に付着する際に、筋肉がどのように動作するかに大きな影響を与えます。腋窩を通ることで、広背筋は肩関節の動きに対しても重要な役割を果たし、肩の可動域を広げることに寄与します。これにより、広背筋は単なる上肢の動作だけでなく、体全体の動きにおいても重要な筋肉であることがわかります。
作用と機能
広背筋は、上腕の内転、内旋、伸展を行う重要な筋肉です。この筋肉は、特に腕を体の後方に引き寄せる動作において重要な役割を果たします。広背筋の収縮により、上腕が内側に引かれ、肩関節の動きがスムーズになります。さらに、広背筋は大円筋や大胸筋と協力して、肩関節の動作を支え、上肢の動きにおいて不可欠な存在です。これにより、日常生活やスポーツにおける多様な動作が可能となります。
広背筋は、呼吸補助筋としても重要な役割を果たします。特に強制呼気の際には、広背筋が収縮することで胸郭が引き上げられ、呼吸がスムーズに行われます。この機能は、特に運動時やストレスの多い状況で重要です。広背筋の柔軟性と強度を保つことは、呼吸機能の向上にも寄与し、全体的な健康状態を改善する要因となります。
広背筋は肩甲上腕関節での動作をサポートし、腕を内後方に引き寄せる重要な筋肉です。この筋肉の機能は、肩関節の内転や伸展に寄与し、特に腕を後方に引く動作において不可欠です。また、広背筋は肩甲骨の動きにも影響を与え、肩関節の安定性を保つ役割も果たします。これにより、広背筋は日常生活やスポーツにおける動作の効率を高める要因となります。
神経支配
広背筋は、胸背神経(C6-8)によって支配されています。この神経は、上肢の動きに重要な役割を果たし、広背筋の収縮を通じて肩関節の動作を調整します。胸背神経は、脊髄から出て、広背筋に直接信号を送り、筋肉の収縮を促進します。この神経支配がなければ、広背筋は正常に機能せず、上肢の動作に支障をきたすことになります。
胸背神経は、広背筋の運動機能を調整し、筋肉の動きを制御します。具体的には、広背筋が収縮することで上腕を内転させ、さらに後方に引き寄せる動作を行います。この動作は、日常生活やスポーツにおいて非常に重要であり、特にボートを漕ぐ動作や懸垂などでその役割が顕著に現れます。広背筋の機能が正常であることは、上肢の動作の効率を高めるために不可欠です。
広背筋の拮抗筋には三角筋と僧帽筋が含まれます。三角筋は、上腕の外転や屈曲を担当し、広背筋の内転作用と対立する役割を果たします。また、僧帽筋は肩甲骨の動きに関与し、広背筋の動作を補完します。このように、広背筋とその拮抗筋との協調的な働きが、上肢の動作をスムーズにし、身体のバランスを保つために重要です。 3 2
関連する筋肉と骨
広背筋は、上肢の動作において大円筋や大胸筋と密接に連携しています。これらの筋肉は、特に肩関節の動作において重要な役割を果たし、広背筋が上腕を内転させる際には、大円筋がその動きを補助します。また、大胸筋は、上腕の伸展に寄与し、これらの筋肉の協調によって、力強い動作が可能となります。これにより、ボートを漕ぐ動作や懸垂など、日常生活やスポーツにおける多くの動作が支えられています。 1 5
広背筋は肩甲骨の動きを制御する重要な筋肉であり、肩甲骨の下角を引っ張ることで、肩関節の動作をサポートします。この筋肉の働きにより、腕の内旋、内転、伸展がスムーズに行われ、特に上肢を使う際の安定性が向上します。例えば、広背筋が適切に機能することで、重い物を持ち上げる際の力が効率的に伝達され、肩関節の負担を軽減することができます。 5 2
広背筋は、上腕を内転させるだけでなく、内後方に引き寄せる重要な役割も果たします。この動作は、特にスポーツや日常生活において、腕を引く動作や押す動作において不可欠です。広背筋と大円筋、大胸筋が協調して働くことで、肩関節の内転、内旋、伸展が実現され、これにより多様な動作が可能となります。これらの筋肉の連携は、特に力を必要とする動作において、その効果を最大限に引き出します。 3 1
www.stroke-lab.com
yogajournal.jp
広背筋の重要性
広背筋は、日常生活やスポーツにおいて非常に重要な役割を果たしています。この筋肉は、腕の動作を支えるだけでなく、呼吸を助ける役割も担っています。特に、物を持ち上げたり、引っ張ったりする動作において、広背筋は肩甲骨を安定させ、上肢の動きをスムーズにします。これにより、スポーツパフォーマンスの向上や日常生活での動作の効率化が図られます。したがって、広背筋の健康を維持することは、身体全体の機能を高めるために不可欠です。 1 7
広背筋の健康維持は、姿勢の改善や運動能力の向上に寄与します。広背筋が強化されることで、背骨の正しいアライメントが保たれ、猫背や反り腰といった姿勢不良を防ぐことができます。また、広背筋は肩甲骨の動きにも関与しており、これがスムーズであれば、肩や首の筋肉への負担が軽減され、肩こりの予防にもつながります。したがって、広背筋を意識的に鍛えることは、全体的な身体の健康にとって非常に重要です。 7 9
広背筋の柔軟性と強化は、肩こりや腰痛の予防にも効果的です。広背筋が柔軟であれば、肩甲骨の動きがスムーズになり、肩や首の筋肉への負担が軽減されます。さらに、広背筋を強化することで、日常生活やスポーツにおける動作の効率が向上し、腰痛のリスクも低下します。特に、デスクワークや長時間同じ姿勢を続けることが多い現代人にとって、広背筋のケアは不可欠です。ストレッチや筋力トレーニングを取り入れることで、健康的な身体を維持することが可能です。