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うつ病と痛みについて

うつ病と痛みについての論文(Depression and Pain Comorbidity)の紹介です。

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論文の要約

うつ病と痛みは併発することが知られているが、どのくらい併発するのかや、併発した場合の治療に与える影響等について、様々な研究や文献をまとめています。

うつ病の症状がある人は、それ以外と比べて痛みを訴える人が多いこと。痛み症状がある人は、それ以外と比べてうつ病になる可能性が高いこと。背景にうつ病がある痛み患者を治療する際に鎮痛薬を処方することで多剤併用のリスクがあること。痛み症状とうつ症状がある人は回復が遅いこと。うつ病が痛みにどのように影響を与えるかの機序について説明している。

私なりの考察

うつ病が痛みの経路にどのように影響するかを説明しているが、逆に痛みが脳に与える発表もあることから、うつ病と慢性疼痛は卵と鶏とも言えるし、同じコインの表と裏ともいえると思います。

え?そうなのというよりは、あーそうだろうなというのが第一印象です。恐らく臨床に携わるほとんどの人間が同様の反応だと思います。しかし一方で、例えば腰が痛いと訴える患者さんをうつ病の可能性を自分は考えていたか?この論文によると、うつ病の患者さんは心理的な訴えより身体的な痛みを訴えることが多いため、うつ病の認識が低くなるとのことでした。改めて慢性疼痛とは生物心理社会モデルとして捉えることが大事だと認識した次第です。この論文が20年前に書かれていることも考えさせられました。(木を見て森を見ず)

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