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定食屋の話

今回は、お仕事とほとんど関係のない話です。
近所の行きつけの定食屋が閉店することになりました。私はそれがとても残念です。何故なら、その定食屋には開店して割とすぐからお世話になっていたので愛着があったからです。
お店の第一印象は今でもハッキリ覚えています。
店主は口下手なおじさんで、そんなに愛想がいいわけでもなく、黙々と仕事をする人でした。開店当初で場所慣れしてないのか手際も悪く、こりゃー先が思いやられるなと思ったもんです。注文した料理もハッキリ覚えています。豚バラナスみそ炒め定食。これがとても美味しかった。丁寧に作るとこんなに美味しいの?と思いました。
それからは、家族と外食するときは決まってそこの定食屋でした。他にお客さんがいない時は店主夫婦と色々雑談するようになり、とても楽しかった。店主は元々違う仕事をしていたのですが、調理師免許を取得して開業したとのこと。きっとこの仕事がしたかったのだろうと思いました。当初の慣れない様子も丁寧な仕事ぶりも腑に落ちました。休みの日も遅くまで仕込みしていて、頑張っているなーと思いました。

自分はその定食屋の料理も好きだったけれど、店主夫婦と二人が作り出すお店の雰囲気が好きでした。他の常連客も同様だと思います。目の前の仕事に黙々と向き合う店主と明るく接客する奥様。一つ一つの料理に向き合う。一人ひとりのお客さんに向き合う。古臭い一生懸命な所が大好きでした。それは、遠くにいるたくさんの知らない誰かと薄く繋がって少しずつ色んな何かを共有するという今の世間のやり方の真逆に思えました。私は自分もそうありたいと思いました。

今日は最後の来店でした。沢山の常連客の注文を手際よくこなす店主夫婦を見て、改めていいお店だったなと思いました。閉店は本当に残念だけれど、二人の新しい門出を応援します。

やっさん、のりちゃん。元気でね。
たくさんの素敵な時間をありがとう。

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