元々はボランティアなんて全く興味はありませんでした。多忙な自分とは無関係なことだと思っていました。ボランティアをする人間は時間とお金を持て余したうらやましい人種だと本気で思っていました。
そんな自分の考えが変わったきっかけは「こんな夜更けにバナナかよ」です。映画化されたのでご存じの方も多いかと思います。筋ジストロフィーという難病を持つ男性が自分で募ったボランティアの手を借りて生活をしたノンフィクションです。24時間365日、個性の強い主人公に振り回されながら奮闘するボランティアの姿が衝撃的でした。当時の私は病院のスタッフとして働いていました。勤務年数から言って中堅スタッフだったと思います。そんな自分とボランティアの人たちを比較するようになりました。本に出てくるボランティアの人はスーパーリッチではありませんでした。学生だったり主婦だったり。こんなこと言っては失礼ですが、特別高い志を持って始めた印象ではありませんでした。なんとなく初めてそのまま止めれなくなった人が大半だったと記憶しています。ボランティアの内容はかなりハードで、生半可な気持ちでは到底出来ないはずです。どうして始めたのか、どうして続けられたのか想像するようになりました。自分の想像が正しいかどうかは分かりませんが、その時に想像した理由はそのまま自分がボランティアを始める理由になっていきました。
今、自分がやっているボランティアは「こんな夜更けにバナナかよ」の人たちに比べると本当に微々たるものです。そんな自分がボランティアを語るのは差し出がましいのですが、少しでもいいからボランティアはしたほうがいいと思います。理由は自分が元気をもらえるからです。これだけでもやる価値あると思います。
私は毎日暗いニュースが多くてウンザリします。社会の格差だったり分断だったりお互いの不信感だったりを感じることが多いです。そんな私が出した解決策は、自分から少しでも社会のために行動することでした。実際に始めてみると同じような気持ちの人間は他にもいることが少しずつ分かってきました。それが嬉しいです。
どうしても考え方が合わない人って誰でもいると思います。私も同様です。でも、もし意見の対立するその人もボランティアをしていたら、その人なりに社会の事を考えてやっているんだなと思えたら、その人も自分のことを同様に思えたら違ってくるように思うのです。
ボランティアをするのは自分が元気になるためだし、バラバラになりがちな社会をつなぐためです。
私にとってボランティアとは必要な行為なのです。だから、これからも出来る範囲で続けていくつもりです。
よろしくお願いします。