テレビから引退した島田紳助という芸能人の動画をyoutubeで見ました。どうも、後輩芸能人相手に勉強会をしているところのようでした。
島田紳助さんは、番組の中で色んなことを話すため、とても勉強していると思われていたそうです。事実、私もそう思っていました。それに対して彼が言うには、「自分は勉強はしていない。勉強をしているように見せているだけ。」なのだそうです。そもそも、勉強している時間なんてないとのこと。どうやったら勉強しているように見えるのか(ハッタリ)について、具体的な例を挙げながら説明していました。
まとめると、一つだけは掘り下げて自分で調べる。それ以外は勉強しなくていいけれど、否定する準備をしておく。あとは自分が知っていることだけをしゃべくり倒して、自分が知らないことは準備した否定を並べる、これだけなのだそうです。時間をかけて話をしたら勉強していないことがすぐに分かるけれど、テレビだとそんなに時間がないから勉強していないって分からないとのこと。最初はぴんとこなかったけれど、聞いているうち「なるほど、こういう手口って案外身近かも」と思うようになりました。
なので鍼灸師の場合に応用したマニュアルを考案しました。
一見、仕事が出来る鍼灸になるためのマニュアル
- 一般人がほとんど知らないだろう東洋医学の分厚い本の一部分だけを丸暗記する。
- 患者さんに大きな声で暗記したことを意味が分からなくても繰り返す。
- 西洋医学や他の鍼灸師を否定する(医者は手術をしたいだけだ、今の日本の医療は遅れてている、あの鍼灸師は裏ではひどいヤツだ等の悪口を言う)。とにかく真っ向否定する。
こうすることで、西洋医学や他の鍼灸師では治せない病気に対応できる東洋医学に精通した先生ができあがる。この手口は鍼灸師に限らないと思います。
弱っている人間の何人かに1人はそれでもヨシとすると思います。しかし私はこれをウソだと認識します。私はウソはつけません。
「金を払ったということはニーズがある。」と言う人もいると思いますが、私はつけこんでるだけだと思います。それはタクシー運転手が深夜に道を知らない外国人観光客を乗せて遠回りするのと同じで、治療が遅れる分だけ悪質だと思うのです。テレビタレントはそのやり方で全く問題ないと思うけれど、私は医療従事者なので出来ません。それが私の職業モラルです。
話は変わるのですが、随分と前に読んだ星野仙一さんの著書の中で、「ホラをふけて一人前だ。」という内容の文章がありました。自分はつくづくバカ正直なのだと思います。これも最初はぴんときませんでした。しかし、私なりに考えて今はなんとなくこういうことなのかなと思うようになりました。ウソとホラの違いは何か?私の拙いボキャブラリーになるのですが、ウソは今の私のためだと思います。ホラは未来の私たちのためなんだと思います。矢印が自分に向かうか未来に向かうか、この差は大きいと思うのです。
私は患者側に立ちたいと思って鍼灸師になりました。
まだまだまだ、道半ばです。だからこそ、たとえ不慣れでも今は未来志向なホラを吹かないといけないと思っています。
私 「私がやりたいのは医療と福祉のビックバンなんですよ!!!」
相手 「ビックバン?それはどういうことですか?」
私 「医療と福祉の垣根を無くすことです!」
相手 「へ~。」