今日は勤労感謝の日です。いかがお過ごしでしょうか。子どもはお父さんに感謝する日というイメージでした。ネットで調べたら、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」なのでそうです。知りませんでした。新嘗祭(にいなめさい)という収穫を祝う日だったのが、戦後アメリカの指導で変わったとか。新嘗祭(にいなめさい)自体は古い文献にも残っているらしく、伝統ある行事なのだそうです。今年最後の祝日ですから、ゆっくり休んで週末の冬将軍に備えます。雪かきボランティアの依頼がありましたら連絡ください。
今日のコラム 痛みについて
変形性膝関節症は、高齢者に多く見られる関節疾患で、関節軟骨の変性と骨棘形成が特徴です。この病態は、関節痛、腫脹、可動域制限を引き起こし、患者の生活の質(QOL)を著しく低下させます。痛みのメカニズムは複雑で、骨や軟骨の構造変化に加え、滑膜炎、神経の変化、中枢性・末梢性感作、心理的要因などが関与しています。
関節軟骨の変性は、炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-αなど)や滑膜からのVEGF、MMPの作用によって進行します。変性した軟骨周辺の滑膜に血管が侵入し、骨棘が形成されます。これらの骨棘には新生血管や神経線維が侵入し、侵害受容性疼痛の原因となります。
滑膜炎は免疫細胞の浸潤と炎症性サイトカインの関与により発生し、侵害受容器を刺激して痛みを引き起こします。また、持続的な機械的ストレスにより神経終末が伸長し、無神経の軟骨や半月板にも痛覚が出現します。心理的要因として、不安やうつが痛みの認知を高め、疼痛を悪化させることがあります。
このように、変形性膝関節症の痛みは多様な要因が絡み合っているため、治療には薬物療法、理学療法、運動療法、心理社会的支援を組み合わせた包括的なアプローチが不可欠です。患者ごとの痛みの原因を特定し、個別化された治療を行うことが重要です。