棘上筋
②棘上筋
- 起始: 肩甲棘の棘上窩内側2/3と肩甲棘上面
- 停止: 上腕骨大結節上面と肩甲上腕関節の関節包
- 作用: 肩関節の外転(特に動き始め〜15度)
- 神経支配: 肩甲上神経(C5〜C6)
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目次
はじめ
- 棘上筋は肩甲骨の棘上窩から起始し、上腕骨の大結節に停止する筋肉です。
- この筋肉は肩関節の外転に重要な役割を果たし、特に肩の安定性を高めるために働きます。
- 棘上筋は回旋筋腱板の一部を構成し、肩関節の求心位保持に寄与します。
- 神経支配は肩甲上神経(C5-6)によって行われます。
- 棘上筋の損傷や機能低下は肩の不安定性や痛みを引き起こす可能性があります。
起始と停止
- 起始: 棘上筋は肩甲骨の棘上窩から起始します。
- 停止: 上腕骨の大結節に停止します。
- 構造: 棘上筋は前方線維と後方線維に分かれています。
- 前方線維: 筋量が多く、長く厚い腱性部を持ちます。
- 後方線維: 短く薄い腱性部を持ちます。
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作用と役割
- 主な作用: 肩関節の外転を行います。
- 支点形成: 三角筋や大胸筋の支点を形成します。
- 求心位保持: 上腕骨頭が肩甲骨関節窩から逸脱しないように保持します。
- 安定性: 上腕骨頭の安定性を高める役割があります。
- 新たな作用: 小結節への付着により、内旋や屈曲にも関与する可能性があります。
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神経支配
- 神経: 棘上筋は肩甲上神経(C5-6)によって支配されます。
- 神経経路: 肩甲上神経は腕神経叢の上神経幹から起こります。
- 影響: 肩甲上神経の損傷は棘上筋の機能に影響を与える可能性があります。
- 関連筋: 棘下筋も肩甲上神経によって支配されます。
- 臨床的意義: 神経の損傷は肩の動きや安定性に影響を与えることがあります。
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関連する筋肉
- 棘下筋: 棘上筋とともに回旋筋腱板を構成します。
- 小円筋: 回旋筋腱板の一部で、肩関節の外旋に関与します。
- 肩甲下筋: 小結節に付着し、内旋に関与します。
- 三角筋: 肩の外転において棘上筋と協力して働きます。
- 大胸筋: 表層に位置し、肩の動きに大きな力を発揮します。
まとめ
棘上筋は肩甲骨の上部に位置し、肩関節の外転動作を始めるために重要な役割を担う筋肉です。この筋肉は回旋筋腱板の一部として機能し、肩の安定性を保つために欠かせない要素です。棘上筋が正しく働くことで、腕を横に上げる動作がスムーズに行われ、特に物を持ち上げる際に大きな助けとなります。しかし、この筋肉は肩関節の中でも最も損傷を受けやすい部位の一つであり、肩の痛みや肩こりの原因になることが多いです。
肩の健康を維持し、棘上筋の損傷を防ぐためには、筋力強化とストレッチが重要です。定期的なエクササイズを通じて肩の柔軟性を高めることは、日常生活やスポーツでの怪我を防ぐ上で効果的です。特にアスリートにとっては、棘上筋の健康状態がパフォーマンスに直接影響を与えるため、適切なケアが必要とされています。
解剖学的には、棘上筋は肩甲骨の棘上窩の内側2/3から上腕骨の大結節上面まで付着し、肩甲上腕関節の安定性を保ちながら、上腕骨の「転がり」や「滑り」動作をサポートします。さらに、この筋肉は肩甲骨を内側に引くことで、背中の筋肉と連携して肩甲骨を安定させる役割も果たしています。しかし、棘上筋は肩峰や烏口肩峰靭帯などといった部位でストレスを受けやすく、肩関節のインピンジメント症候群を引き起こしやすい特徴があります。この症候群は、結髪や結帯などの動作中に痛みを伴うことが多く、肩甲上腕関節の軟部組織が少ないため、回旋筋腱板の役割がさらに重要になります。