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ヘルパーT細胞

ヘルパーT細胞は、免疫系の中心的な役割を果たすリンパ球の一種で、さまざまな免疫応答を調節する重要な役割を担います。これらの細胞は、特に病原体に対する体の防御機構を指揮し、免疫系の他の細胞に対する指示を提供します。ヘルパーT細胞は表面にCD4受容体を持ち、CD4陽性T細胞とも呼ばれますが、その機能に応じていくつかのサブセットに分類されます。

  1. Th1細胞: Th1は、主に細胞性免疫応答を強化することに焦点を当てています。これらはウイルスや細胞内寄生虫などの病原体に対抗するために、マクロファージの活性化やキラーT細胞の誘導などを行います。
  2. Th2細胞: Th2は、ヒトの免疫応答の中で抗体産生を促進し、主に体液性免疫をサポートします。これらは寄生虫感染やアレルギー反応に重要な役割を果たします。
  3. Th17細胞: Th17細胞は、特に真菌感染に対する防御に重要であり、炎症の誘導にも関与します。これらは、IL-17などの特定のサイトカインを産生し、炎症応答を促進します。
  4. Tfh細胞 (T follicular helper cells): Tfh細胞は、主にリンパ節や脾臓内のB細胞の活性化と抗体産生をサポートします。これらは、抗体のクラススイッチングや高親和性抗体の生成を促進することで、長期的な免疫記憶の確立に寄与します。
  5. 調節性T細胞 (Treg): これらの細胞は、免疫系の過剰反応を防ぎ、自己耐性を促進することで、自己免疫疾患や過敏症の予防に重要です。Treg細胞は、免疫応答を抑制し、免疫系のバランスを保つために重要な役割を果たします。

これらのヘルパーT細胞のサブセットは、体内で異なるタイプの免疫応答を導くことにより、病原体に対する包括的な防御を提供します。各サブセットは、特定の病原体や疾患状態に最適な応答を引き出すために、異なる役割を担っています。適切なヘルパーT細胞の活動は、健康維持に不可欠であり、その不均衡はさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

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